「こと」と「の」の使い分けを説明する前に、まず【問題2】に挑戦してみてください。 【問題2】( )の中から「こと」か「の」のうち適切なほうを選んでください。(両方使える場合もあります。) 1.今朝地震があった(こと/の)は知らなかった。 2.父が賞をもらった(こと/の)をとてもうれしく思います。 3.私の趣味は絵を描く(こと/の)です。 4.私の今の目標は大学院の試験に合格する(こと/の)だ。 5.本は2週間借りる(こと/の)ができる。 6.明日出張する(こと/の)になった。 7.きのう人が車にはねられた(こと/の)を見た。 8.小川:何してるの? 秋山:友達が来る(こと/の)を待っているのよ。 いかがですか。できましたか。答えは次の通りです。 ?「こと」と「の」両方使える(1,2) ?「こと」しか使えない(3,4,5,6) ?「の」しか使えない(7,8) では、それぞれの場合について考えましょう。 1.「こと」と「の」が両方使える場合 「こと」と「の」は、次の「こと」しか使えない場合と「の」しか使えない場合以外は、基本的には両方使うことができます。両者の違いは、「の」のほうが「こと」より、より話しことば的である点です。 2.「こと」しか使えない場合 大きく分けてAとBの場合があります。 A.「です?だ?である」の前では名詞化の「の」は使えない。 「です?だ?である」の前で動詞や「文」が名詞化される時は、「動詞/文+こと」の形が来ます。「動詞/文+の」 が来ると、ムード(モダリティ)(話し手の気持ちを表す表現)の「のだ/んだ」になってしまうためと考えられます。 (13)林:仕事は何ですか。 森:あなたのお手伝いをすることですよ。 (名詞化の「こと」) あなたのお手伝いをするの/んですよ。 (????(??????)の「のだ」) B.定型の表現では「こと」を用いる。 1)「~ことにする」 「~ことにする」は、「決定?決心」を、また、「~ことにしている」で習慣を表しますが、「こと」の代わりに「の」を使うことはできません。 (14)仕事をやめる(こと/ (15)日記をつける(こと/ 2)「~ことになる」 「~ことになる」は「結果?決定」を、また、「~ことになっている」で「規則?決まり」を表しますが、「こと」の代わりに「の」を使うことはできません。 (16)来週出張する(こと/ (17)たばこを吸うと、退学させられる(こと/ 3)「~ことがある」 「ことがある」は動詞のタ形につながって「経験」を、また、辞書形?ナイ形につながって「そういう***会がある」ことを表します。ここでも「こと」の代わりに「の」を使うことはできません。 (18)富士山に登った(こと/ (19)自分で料理を作る(こと/ 4)「~ことはない」 経験?***会を表す「~ことがある」の否定の形にも「~ことはない」(例:富士山に登ったことはない。自分で料理を作ることはない。)が使われますが、ここで取り上げる「~ことはない」はそれとは異なり、「不必要である」とい う意味を表します。ここでも「こと」の代わりに「の」を使うことはできません。 (20)わざわざ行く(こと/ 上記の1)~4)以外にも、次のような動詞や形容詞があとに続く場合は「こと」が用いられます。 5)「必要だ」「大切だ」 (21)人間は趣味を持つ(こと/ 6)「決める」「約束する」 (22)大学院を受ける/受けない(こと/ (23)二度と遅刻しない(こと/ 次に「の」しか使えない場合を考えます。 3.「の」しか使えない場合 A.「見る?見える」「聞く?聞こえる」「感じる」などの知覚を表す動詞の前では「こと」は使えない。 「こと」は本来、「事柄」やその「内容」を表すので、知覚動詞でとらえられる現象には「こと」は不向きだと思われます。 (24)車が近づいてくる( (25)彼が私に気を使っている( B.「止(と)める」「手伝う」「待つ」の前では「こと」は使えない。 (26)私は、彼が仕事をやめようとしている( (27)母が料理を作る( (28)彼からメールが来る( これらの動詞は、その事態に合わせて行う動作を表すので、「事柄」や「内容」を表す「こと」は不向きになります。 (责任编辑:admin) |